らくとあいすの備忘録

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VRC_SpatialAudioSourceの音響特性 (SteamAudio版・2025年12月)

最近VRC_SpatialAudioSourceがSteamAudio版にアップデートされたので、同じ方法で特性を測りなおしました。 前の記事はこちらです:VRC_SpatialAudioSourceの音響特性 - らくとあいすの備忘録 前バージョンでコンテンツを作っていて、対応したい...などの方の助けになれば幸いです。

なお、今後のVRChatのアップデートで変更がある可能性があるので、要注意です。(出来れば更新します)

検証方法

前後左右上下の6つのAudioSourceから、ホワイトノイズを発することによって行う。体の向きによってAudioSourceと受聴点の関係が変わらないように、常にプレイヤーの頭に全てのAudioSourceが追従するようにU#Scriptで制御した。また、Spatializationが非有効かつSpread=0のとき、左90度の音源に対して右側での音量は0となるが、比較の分かりやすさのため、Spread=70まで上げた。これは旧バージョンの検証の差異に音源と反対側のチャネルにおいて、Spatializationが有効の時と同程度のゲインが得られるようにしたためだが、今回は新旧比較がポイントなので同じくSpread=70を採用した。

新 - 旧の比較差分

周波数についての比較

Steam Audio版

[SteamAudio版・2025年12月測定] 音源角度を変化させたときの、ホワイトノイズに対する周波数応答。(上) Spatialization非有効。(下) Spatialization有効。

旧バージョン

音源角度を変化させたときの、ホワイトノイズに対する周波数応答。(上) Spatialization非有効。(下) Spatialization有効。

比較 (差分)

SteamAudioバージョンから旧バージョンの周波数特性 [dB] を引いた値。

コメント

  • 600Hzまではほとんど前バージョンと差がないことが分かる
  • 800Hz ~ 5kHzがおさえられる (前が盛り上がっていた)
  • frontの7kHz ~11kHzが大幅に大きくなった (前は鋭いノッチがあった)
  • downの5kHzに鋭いノッチが発生 (下方の音が曇るようになった。)

距離減衰についての比較

Steam Audio版

[SteamAudio版・2025年12月測定]音源距離を変化させたときの、ホワイトノイズに対する周波数応答。

旧バージョン

音源距離を変化させたときの、ホワイトノイズに対する周波数応答。

距離による影響だけの抽出

  • やや変則的なプロットだが、次を作成した (そもそもの周波数特性の変化を除外して距離による影響だけを見たいという意図)
    • {各距離でのfront(新) - 各距離でのfront(旧)} - {1.0mでのfront(新) - 1.0mでのfront(旧)}

周波数特性の距離による影響

コメント

  • 新バージョンはかなり距離減衰がゆるくなった (カーブによる制御無しの場合)
  • 上記誤りで、下記設定のカーブによる制御が入っていました
    • Use Volume Source Volume Curve: 有効
    • Linear Rolloff, Min Distance: 0.5m, Max Distance: 40m
  • 0.1mのときに8kHzぐらいがおおきく削れるのが特徴的 (近接効果が強く表れている?)
  • 800Hz ~ 1200Hzぐらいに推移するピークがある

位相特性の比較

左右の耳の位相差を調べる。図は右チャネルの位相から左チャネルの位相を引いた位相差の時間平均を示している。これを見ると、Spatializationが非有効の場合は左右の耳の間でまったく位相差がない一方で、Spatializationが有効の場合位相差が現れているのがわかる。新旧差分は遅延秒数に換算しないとちょっとわからないが、頭部の大きさの変化による影響か多少遅延特性が変化していそう。(要追加調査)

Steam Audio版

[SteamAudio版・2025年12月測定] 音源角度を変化させたときの、左右チャネルの位相差。(上) Spatialization非有効。(下) Spatialization有効。

旧バージョン

音源角度を変化させたときの、左右チャネルの位相差。(上) Spatialization非有効。(下) Spatialization有効。

その他所感 (個人の感想)

  • 2kHzぐらいまでが周波数特性がかなりフラットになったので、DAW上で聴いている音とは近い傾向になることが多そう
  • 相対的にfront, left(耳のある側)で低域がかなりブーストされたので既存コンテンツの聴感印象としては低域のブーストを感じる
  • 下方定位がかなり特徴的になったので下の音のつかいどころは色々ありそう